南町三丁目商店街振興組合
特集 竹脇元治 「旧市街地・中心商店街・再生の道」 P8

≪14≫ 水戸芸術館との係わり方・その1 平成12年12月10日

めてのタイアップ事業 今、水戸市を代表する映像は「偕楽園から望む千波湖と、水戸芸術館のタワー」になりつつある。これは、NHKの番組で反復されるうちに、いつの間に水戸を連想するものとして残ってしまつたのかもしれない。 水戸芸術館の評価は、運営経費も含めて、今でも大きな落差があることも事実だが、以前に比べれば格段に柔軟性のある運営に変ぼうしている。 かって開設当初、パイプオルガンの演奏会を南町三丁目だけの販促景品として、開催の依頼をしたことがあった。売りだし事業への協力に対しての抵抗感が多少あったようで、あくまで芸術館主催の企画のチケットを商店街が買い求める方式ならば協力するとの返答を受けた時代もあった。 こちら側でも希望者は40人前後と予想していたが、意外にも300人を超える希望者が出たため、抽選にて約半数の方々に絞らせていただいてのコンサートになってしまい、うれしい悲鳴を上げた記憶がある。 ドイツ人の演奏家を招いてくださった関係もあり、費用的にもスペース的にも、それ以上の客を収容できなくなってしまった。ただ残念なのは、曲名の説明案内などの要望を全面拒否されたため、拍手のタイミングを知らない観客に、とまどいを持たれたことだ。 しかし、今は説明を受けながらの無料定期演奏会が開かれており、大変良いことと思う。
ダニエル・ビュレンヌ展の共催 4年前、水戸芸術館で「透きとおった光」と題してフランスのアーティスト「ダニエル・ビュレヌ展」が開催された折、作家ご本人が波型アーケードをひどく気に入ってくださり、約2ヶ月半の間「虹」と題した作品展を当街区でも開いていただいた。赤から紫にいたる13色のストライプのフラッグ81枚がアーケードの下に吊り下げされ、風にゆられる情景は、メーン会場の水戸芸術館現代美術ギャラリーと芝の広場会場へ行くまでの導入線として、心の高まりを十分に感じさせる役割を持たせたことは、当町のコンセプトと同化し、満足させてもらえるものだった。
街とスターラートファンタジー ’00アートタワーみとスターライトファンタジーが始まった。5年前、泉町の平松克章氏を中心とする実行委員会が、タワーのライトアップをし、冬の夜の祭典として始められた事業は、各商店街にも広がりを見せた。昨年からライトアップの方式を変え、今年はそれにフラッシュ電球の点滅も加えグレードアップされたものになっている。
この企画の最大のよさは、一般市民の基金を全面に打ち出し、参加意識を高めているとこりにある。そして点灯式には市内の小学生が書いた将来の夢の風船を飛ばしたりして盛り上げを見せている。さらに、クリスマスコンサート・大晦日のカウントダウンなど、単にライトアップだけに終わらせてない良さがある。
各商店街のライトアップ協賛 南町一丁目は高木に豆球を散りばめ、今年はそれぞれの樹木を横の豆球ラインで結びつけた。南町二丁目は全部の街路灯に独自の豆球モニュメントを付け、イタリア・ボローニャ市との提携記念のモニュメントも豆球で縁取りされたりもしている。南町三丁目は波型アーケードの波の縁の部分に取り付けられた豆球は3パターンの点滅方式を楽しめるものを取り付け、アーケードの下にはクリスマス飾りと豆球が光っている。南町四丁目も街路灯に独自の豆球飾りを取り付けてある。泉町地区もそれぞれに工夫をこらした飾り球や、街路樹に豆球を取り付けたりしている。これらの各商店街の取り付けは、アートタワーのライトアップ事業に、それぞれの街区が自分たちでできる範囲で協力してきたものであり、冬の夜の街にどれだけ楽しさを加味できるものかと自発的に考えてきたものだ。この姿勢は十分に評価されるべきと思える。

15≫水戸芸術館との係わり方・その2 平成12年12月24日

商業感謝祭のメーン広場として 今年も11月5日「水戸藩時代まつり」上市の部が開始される直前までの間、朝9時半から午後3時半まで芸術館広場を使って「水戸市商店会・感謝フェスティバル」が開催された。数年前「サンクスデー」と称して一気にグレードアップされたこの催しは、その後さらなる工夫も加えられ、規模、内容ともに充実してきている。 特に今年は、朝から終了時間まで人が途切れることもなくにぎわっていたのには、目を見張る思いだった。私は、メーンの「マジックショー」の仲介をしたため、久しぶりに一日中、張り付きをしていた。開始まもなくの時間帯は、三つの保育園児たちのそれぞれに趣の変わったグループ編成でのミニミニコンサートは、見ていて思わず笑みが浮かぶかわいらしさで観衆をとりこにした。 メーンの「イリュージョンマジック・ファンタジーショー」は、日中でもありながら、両サイドや裏面からの見物も平気とのキャッチフレーズ通り、不思議の連続で魅了してもらえた。コーラスチームは歌う楽しさを、フォークダンスチームは凝った衣裳と振り付けで、それぞれに大きな拍手が沸いていた。 ゲームも環境問題を取り入れ、楽しみながらの学習できる企画には感心させられた。ビンゴゲームも各町や企業協賛の出店もおおむね好評で、手づくりコーナーでの作る楽しみもあったことが滞留時間を長くしていたようだ。
イベントと売り上げとの結びつき よくいろいろな街で「イベントは出費の割に売り上げ増にならず、反対に減らす店も多い」との苦言を聞く。確かに15、6年前まではイベントで人も集まり、買い物もしてくれていた。かつては「水戸の街へ行く」それだけで、おしゃれをし、何かを期待するものがあった。買う楽しみ、見る楽しみ、見られる楽しみが街にあった。それが今、大型ショッピングセンターへふだん着で出かけ、楽しむ空間の提供を受ける人が多い。道路整備の利便性がより巨大な集客施設への移動を容易にさせている。地域発展のための道路が小都市の小規模店を消してしまったのだ。 それ以上の工夫を中心路面街区ではできないのだろうか。大型店では対応できない品ぞろえや、サービスを持たなければ消滅を待つだけなのだ。その答えは何なのだろう。その一部には各個店が自己表現のできる個性的な店への変身や、販売方法、お客様とのつながり方などが考えられる。 街区全体としてはイベントなどを通し、とにかく、久しく行ってみなかった市街地に行く気になってもらい楽しんでもらいながら、各店の存在を知ってもらうことが初めにあるのだ。そして街へ来る頻度を高めてもらう時代になっているのだと、もう10年以上前から私は言い続けてきていた。 前例にとらわれない思考でなければ生き残れない時代になっているのだろう。ぜひ20代、30代の柔らか頭で挑戦していってほしい。マニュアルからはみだし、親父たちを納得させるパワーに期待を持って見ているが・・・・あきらめない気持ちが一番と思う。
やっと文化事業が評価されてきた 芸術館とのかかわりの中で水戸商店連合会が毎年定期開催している「マイタウン・コンサート」がある。地元泉町地区で始めたのがきっかけで、一般市民でも楽しめるクラッシックコンサートを企画したものだ。 会場内での演奏者の方のウィットに富んだ語りや、曲の説明もあり、クラッシック入門としては大人も子供も楽しめる。「クラッシックは遠いもの」の印象を身近な楽しめるものとして感じながら帰っていく方も多い。 広場の活用も最近の第九コンサートや、「自分のアートを売る」アートのフリーマーケットの開催など、他都市では考えられない企画も芸術館をより市民へ近づけるものになっている。ぜひ開かれたアート空間でいてほしい。


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