南町三丁目商店街振興組合
特集 竹脇元治 「旧市街地・中心商店街・再生の道」P6
≪10≫元気人が活を入れる街・青森 平成12年10月15日
| どこにでもある街とのつながり この数年、青森市をなぜか連続して訪ねている。県商店街振興組合連合会からの依頼であったり、友人との再会や旅の中継地としての訪問だったりだ。私は、ずいぶんと日本中の話題になった街や魅力的だと呼ばれる都市をほとんど訪ねてきた。 この青森にも5,6度立ち寄っているが街の近代化と逆行するかのように、中心街区の活気は消えてきている。 思い起こせばこの青森に限ってみても、私の通う散髪屋のご主人の出身地だったり、ついこの間まで製薬会社の支店長として住んでいるのが学生時代の親友だったりもしている。そんな中でのこの街との共有するものはほかにもいろいろあるが、印象に強く残っているのは青森出身の作家・寺山修司氏との出会いだった。 私が20歳の頃、彼のことを小論文にまとめ同人誌の掲載した。それを見た寺山氏が、ちょうど「天井桟敷」の劇団で演出をしていた東由多加氏が退団したこともあり演出の仕事を手伝ってもらえないかと、再三の誘いをしてきた。学生演劇の方でも彼の作品の演出を手掛け、その演出プランを見てもらったりしたためたもしれない。手紙や電話をもらい、お会いしての話し合いもさせてもらった。手山氏と私の求める方向性は違っているので出来ませんなどど生意気を言ってお断りをした。彼のちょと臆病な、むなしげな目線を今でもはっきり覚えている。その後も学園祭などの講演依頼をしても来てくださったりしていた。 こんな話をアドバイザーとして街区を訪ねるときや、訪ねられた時には必ずするようにしている。相手との共有するものや共通点を見つけ話を始めると、ほとんどの方が心を開き、本音の対話が不思議に出来てしまうからだ。 商店街に未来を求めるには さて、先に触れさせてもらった青森市で嵐のごとく街に元気を振りまいている男がいる。加藤博氏(51歳・青森市新町にて婦人服店経営)がその張本人だ。彼とは、私の街区への研修視察へ来られたのをきっかけに、私と全国商店街振興組合連合会での「街づくりパネラー」としての再会。地元青森での研修会への協力参加などをした後も、電話やファクシミリを使っての情報のやりとりなどを4,5年続けさせてもらっている。 加藤氏は、大学卒業後ニチイ(現マイカル)の八戸店長を務めたこともあり、大型店の内情にも詳しい。そんな大型店の販売の販売のための人材とデータや他店との差別化をどう裏付けしていくのかまで考えてある綿密さへ、どうたちむかうのか。その姿を、20年来の私の街づくりパートナーだった「滝口統雄」(南町三丁目の専務理事として活躍し、2年前に他界)とダブらせて見ている。 ちょうど南町三丁目青年部「南芽会」が十数年前、毎月、滝口氏を中心に2回から3回の勉強会を続けていたように、加藤氏たちも「ASK(あすく)」という若手後継者グループでの活動をしている。そんな中での一つの方向性として挙げられるのが「リスクを恐れずにやる気を!」だ。弱体化していく商店街を見ると、ほとんどが新規の投資も、広告宣伝も行っていない。苦労し、一時代を築き、高度成長時代の十二分の利益を上げた店も多い。そこで安住をしたり、少しずつストックの持ち出しだけで細々と生きていく姿は「行きたくなる店」であるはずもない。元気のない店主の店は商品も元気が失われて見えてしまう。 彼は、「リスクを恐れてはいけない。何もしなければ、客は減り、売上げは落ちる。何もしないことが、最大のリスクなのだ」と言い切っている。 人にやさしい街をめざして 青森市のメインストリート新町通りが最近元気を取り戻していると聞く。2年前の夏から10年ぶり歩行者天国を復活させ、それと同時に歩道の段差をなくきたバリアフリー(障壁除去)型に整備をし、さらに車道の幅を2b縮めて自転車専用道路も造っている。 障害者も高齢者も子供も楽しく触れ合える商店街を目指しているこの街づくり計画のきっかけは、長野パラリンピック冬季競技大会の銀メダリスト野沢英二氏の青森市平和公園で毎年恒例の車椅子マラソンの準備中に聞いた「本当は街の中を自由に走ってみたい」の一言だったと言う。 これからの街はお年寄りが買い物を楽しめるように電動スクーターの貸し出しも始めている。この新町の素晴らしさは、ハード面だけでなくソフト面でもしっかりした構築をもっているところだ。市長にも試乗してもらい市民への十分なアピールも怠らず、利用結果を街や人〈商店主や店員)の改造や改心にまで及ばせている。 水戸でも、私の街南町三丁目も同様に試乗会は実施しているが、青森・新町レベルからは程遠いものがある。下市地区の本町三丁目でも取り組んでおり、若さと行動力の新井理事長の努力と彼を支える若い仲間たちの姿は、地元の反響もあり、お客様から支持され評価も高い。 |
≪11≫街を舞台に子供達がかっ歩する 平成12年10月29日
| ハロウィーンだよ!みんな集まれ! 今年も恒例の水戸南町三丁目の「ハロウィ−ン祭」が10月29日(日)に開催される。商店街の若いお母さんたちの会(南美会)を中心に3年前より実施されるようになったこのイベントは、年を重ねる度に新しい工夫を加えているためか、参加者も増え、街に楽しさと、明るさを提供してくれている。今年からは、年代の垣根を越えた女性会(旧南町三丁目婦人会)が中心になり、企画・運営をしている。 魔女に扮した女性会のメンバーが、子供達をもてなす姿は、どこを切り取っても、ほほえましい雰囲気が街中にあふれ、見ているだけでも楽しい気分になってくる。 ハロウィーンは、キリスト教徒の多い欧米で秋の収穫を祝うことと悪霊を追い出す祭として存在しており、各家庭でカボチャの中身をくりぬいた提灯を玄関などに飾っておき、それを目印にお化けに仮装した子供達が訪ね歩き、お菓子をもらうという祭りだ。 女性同士の連帯感を持つために 私の住む街区(南町三丁目)の商店街活動や、冠婚葬祭に関しては、男が中心にすべてを取り仕切って来ていた。十数年前に南芽会(40年以上続いている青年部)の奥さん同士ですら互いによく知らない間柄の部分を何とかしようと、発足したのが二代目、三代目の奥さんたちを中心にした「南美会」だった。当時は、1,2ヶ月に1度ずつ、昼食会や夕食会を開いて親交を深める程度のグループだった。 その後、県商店街振興組合連合会から補助事業にもなっていた「全国おかみさんサミット」への参加(毎年、担当の役員になった方々が交互の出席)をしたり、当組合の初めての女性理事として就任をしてもらうことで、商店街活動の実情もお母さん方にも知ってもらえるようになってきていた。(現在は2人が就任、次年度からは4人の予定) 商店街の根底を支える女性パワー 今、全国的に商店街は、「しょんぼり」している。私たちの街とて同様である。そんな中で弱気なおやじ連中の姿勢に「活!」を入れてくれるのが、「おかみさんパワー」だ。みんなでうなだれていても仕方ない。何か協力してやってみよう。こうして始まった事業の一つがハロウィーンだった。東京・浅草の「おかみさん会」は、おまりにも有名すぎるが、当町の南美会も、自画自賛のようだが素晴らしいグループであることに違いない。 何かをやろうとする気持ちを皆で共有している姿は、本当に街の根底を考える力の「源」になっている。集会の出席率は九割以上との話も聞いている。今回のイベントでも行政とのかかわりのある補助金申請やフラッグの発注は、手馴れた三浦晴保理事長がかかわっているが、それ以外はすべて女性会の企画運営で進められている。 温かさと優しさにあふれる手作り企画 安いカボチャをまず見つけ出し、それを全員でメイクアップさせる。そして各店の店頭に飾ってもらう。各店のウィンドウ−などにポスターとともに置いてあるのがそれだ。大きかったり、いびつだったりするものを各人が自分なりに大笑いをしながらペインティングしていく。企画者が楽しくなければ、参加者だって楽しいわけがない。魔女のマントだって自分たちで作ってみた。案内チラシもそれぞれに担当者を決め、幼稚園・保育所・小学校を自分たちで説明しながら配布して歩く。 このゲーム感覚でのイベント参加の意味あいと「こんな所にこんな店があった」などと、店を知ってもらうためにも数種類の各店めぐりのスタンプラリーをしてもらう。ジャンケンなどをし、菓子をもらえる仕組みになっている。 仮装参加者が来てくれるか? このイベントを始めるに当たって企画の中心になって動いていた都築真寿美さんは、当初かなり不安の思っていたらしい。でも「やってみなきゃ、何だってわからない」この精神で取り組んでみたら、大成功だった。お姫様・お化け・天使・ウルトラマン・怪獣・サンタクロース・・・・・いろいろなコスチュームで街はあふれた。参加者も十分楽しんでいるのだ。 今年もボランティア団体の協力で電動三輪車の試乗会も予定されている。街の安全性や危険度のチェックを高齢者だけでなく、介助の立場の方々のも実感してもらいたい。小さな子供達にとっては遊具のように思える乗り物だが、こんなものもある事実を知るだけでも十分な企画と思える。この街区の女性グループは、他にも楽しい企画の実行をしているので、再度紹介してみようと思っている。 |