南町三丁目商店街振興組合
特集・竹脇 元治氏 「旧市街地・中心商店街・再生への道」P5


≪8≫線から面への広がりの気配 平成12年9月10日

新規店舗の出店 今、水戸市のメイン通り、南側の裏側にポツリポツリと、若い経営者の店が出店し始めている。中央郵便局南側でも南町1丁目の賛助会員の立場から独立するかのように新商店会「本局前商店会」(落合一裕会長)も、この4月に発足をした。 旧奈良屋町への路地に向かっての裏通りにも若者向けの店が出店をし、国道沿いとの一体化を目指している。 南町二丁目から三丁目にかけても南町裏通りを中心に飲食店以外の店の張り付きが目に付く。その1つ、南町三丁目の丸二ビル(国道沿いには衣料品のカガミがある)の裏側通りに面する所に昨年オープンした「ワイルドウエスト」を訪ねた。インディアン・ジュエリーの店をつくば市で始めたのをきっかけに、現在は土浦市内で4店舗、水戸市内に2店舗を持つ若い経営者の店だ。シルバー素材を中心にしたインディアンジュエリーやアクセサリー、バイク好きの若者向けの雑貨等も販売している。 この裏通りの水戸店出店について、店長の佐藤慎氏に動機などを聞いてみた。土浦のジュエリーの店へ、水戸からの来店客が意外と多かったこと、同類の店が水戸市内にあまりなく需要が十分に望められる予測されたことがその理由のようだ。あえて裏通りへの出店に関しては、通りすがりの普通のお客様ではなく、興味のある方たちに来店していただき、ゆっくりと、くつろいだ雰囲気の中で買い物をするには、裏通りがベターだと言い切る。さらに家賃もメーン通りに比較しての格安感も魅力の一つに付け加えていた。
地域格差のない若者文化 「ワイルド・ウエスト」は、昨年末に銀杏坂に古着を中心にした店も出店させている。(6店舗の中で古着は4店にて展開中)この店の若きオーナー(38歳)は、アメリカ・ニューメキシコ州・ギャラップと言う町で現地のインディアンデザイナーに直接製作を依頼し、手配・買い付けをした品を自店で販売するため、大半を現地で過ごしている。そんな経営者の店ゆえの個性が生き,見て買う楽しみを増大させているのだろう。店長・佐藤氏は商品構成に関し,水戸も土浦も大差がないと言う。個性の強い商品について若者は、共通の美意識や自己表現を共有しているのかもしれない。ただ,水戸への出店は、土浦以上の商圏を持つ地域のためか、確実に客層の広がりは感じているらしい。
中心部からの移転 泉町二丁目にあった若者に人気の衣料の店「ビート」が、昨年50号バイパスのクロサワ眼鏡店隣へ移転した(跡地は最近、ニューヨークの若者に受けているカール・カナイの店がでた)。ビートの経営者・飯島氏は、移転の理由について@車社会の多様化に対応し、目標になりやすい場所として50号バイパスを選んだ(泉町店は、地下駐車場の出口が店の前にでき、目隠し状態になり車での来客が通過してしまうことが増えた)A中心街区では経費負担(家賃、社員分も含めてのしゅうしゃ料等)が高く,郊外移転によりこれらは大幅な削減になった。B主力だった高校生が携帯電話の普及と反比例するように(電話料金増のためか)衣料に対する出費が減ったC少し年代を上げ、車を利用する客層をつかむためには、気楽に駐車できる郊外型にした。    これらの理由での移転だったが,各クレジットカードの利用増から見ても,予想通りの客層の変身を感じている。ただ、曜日や時間帯により売上げ格差の対応には難しさもあるらしい。
それぞれの店からの教訓 裏通りはおしゃれな舗装と乳母車や車いすが楽に通れる歩道をせめて片側だけでも付けたい。駐車場に関しては,特例として国道沿いにパーキングメーターを置いた駐車帯を設置し、駐車違反からの開放を待たせた。これらは後に詳しく述べるが,裏通りの整備で面の広がり、駐車帯で中心街区へ出かける動機付けの互いに有効な手段になるはずなのだ。


≪9≫インターネットをどう利用するか 平成12年10月15日

T(情報技術)化の流れ 茨城県はこの流れの中で遅れをとっている県内の中小企業に対して、11月につくば市で「ITフェア」を開き、システムや製品展示、中小企業の成功例を紹介するほか、アドバイザー活用に対する相談を受けるなど、導入への足がかりを呼びかけていくという。
 水戸商工会議所でも9月28日に「情報支援セミナー」を開きITの必要性や個人事業主にも使えるパソコンやホームページの作成方法などを知ってもらい、底辺の広がりを考えている。 水戸市商店連合会は、青年部からの機運の高まりがあり、7月の1泊研修会では、インターネットの体験発表として、泉町でミシンを経営している望月芳正氏より話を聞いたりしながら「IT委員会」の発足をみている。パソコンの利用情報の交換やホームページでの自社PRの製作方法、総勢20人程度での運営を考えている。
次々に開放される情報サイト 今、個人や企業の提案による地域情報を集めたスタイルの「情報掲載ページ」ができ始めている。それらの動きの中での1人に、五軒町で写真館フォトクラフトPGを経営する細井貴氏(42)がいる。 彼は、20代の若者と一緒に「ハ〜レー」に乗りツーリングを楽しむ、ワイルドな商店主だ。そんな彼がインターネットを、もっと身近で、しかも有効的に活用できないものかと開設したのが、310 i.comとステーション310i だ。 「IT革命」の時代だなどと、関心の強い人たちにとっては、ものすごいことであっても、興味を持たない人たちにはインターネット?何のことやらさっぱり分からない。これが、現実なのだ。水戸市内では各商店街や市民団体、神社、県や市の主催によるイベントなど、たまたま立ち会って、「こんな楽しいのがあったのか?」と初めて知ることが多い。その辺を細井氏は、「これはすごい、面白い」と思えるイベントがうまく市民に伝わらずに知らない人が多すぎるのを残念に思えて仕方ないと考えていた。主催者側も参加者が少ないことでせっかくの企画を次の年には断念してしまうことが多いのを見ながら、「失敗の終わらせない」有効な上手なPR活動をインターネットで出来ないものか開設をした。
読者参加型のインターネット 新聞やラジオは、若者層からメディアとして少々縁遠くなってきていると細井氏は語る。その辺をカバーするにパソコンを持たなくても活用できる携帯電話によるインターネットでの情報提供ではないかと思い、五軒町の自分の店(写真館)隣に「情報ステーション310」を開店させた。 水戸は学生の多い町なので高校生を含めた若者たちに、情報を持ち寄ったり持ち帰ったりするたまり場として活用してもらえたらと思っているようだ。 例えば、インターネットの初心者には、インターネットを見たり、パソコンの使い方を知ってもらったり、無料で会員の登録をしているので自由に使ってもらい、学園祭のポスター作りや、自分たちでグループ紹介コーナーをホームページに掲載したりすることも可能にしている。(印刷代などの実費費用には負担がかかる) 彼のインターネット版水戸情報誌を作ろうと考えている姿には<元気な中心街区であってほしい>という気持ちがひしひしと伝わってくる。莫大な広告費を投ぜずにインターネットを利用することによる安価で内容の充実した広告をする手段の一つに活用してほしいとも思っている。意外と身近にありながら知られざる店などを紹介しながら楽しい情報の濃いものを目指している。 参考 310i.com を見るには、http://www.310.i.com
対面販売からの脱却がすべて? 楽天のマザーズ上場など、インターネットでの商取引eコマース(電子商取引)が楽天市場に代表されるように究極のビジネスとか、景気回復の特効薬とも呼ばれている。しかし、いち早く取り組みをした大手カード会社による仮想商店街は、売り手側の思惑が強すぎたためなのか行き詰まりをし撤退を決行した現実もある。 米国では、「アマゾン」が次々と企業の買収・吸収による品ぞろえの強化をしながら店舗を持たない商売を続けている。しかし、その「アマゾン」ですら現在は利益を上げていない。しかし、成長を続けいけるのは投資家による高い株値の支えが裏付けとしてあるからなのだ。日本のバブル崩壊のようにはならないのだろうか。その危惧はないとはいえない。対面での販売からの脱却こそがすべてだと言い切る方向への警告が見え隠れしている気分になるのは私だけなのだろうか。

次のページP6へ

特集1Pへ戻る